2016年4月3日日曜日

シーン1:タワーを巡る攻防

スクリーンショットがないと寂しいので先ほどNAでプレイしたゲームを例に解説します。
この画像を表示し、状況を確認してください。


敵プレイヤーが2名死に、5v3の状況です。今見えない3人目の敵はカ=ジックス(Kha'Zix)で、雪玉は落ちており、敵タワー後ろの草むらにいるものとします。

敵タワーのヘルスはほぼなくなり、各人のAAが2,3発入る頃には折れるはずです。秒数にして3秒程度のため敵スキルがCDであれば無リスクで折ることができます。そして折れるタワーを守ることに意味がないため、ザイラ(Zyra)が下がっていますね。植物を設置して抵抗を試みた跡がありますが、あきらめたようです。ドクター・ムンド(Dr. Mundo)はタワーが折れた後に追撃するために前に出ている絵になります。ジリアン(Zilean)はMundoをカバーするために移動速度を上げるスキルを使っていますね。

このシーンではMundoが敵チャンピオンの攻撃を受けつつ追撃し、レンジドがタワーを破壊して終わりとなります。それでは敵タワーのヘルスだけ条件を変えて無傷とし、その他が同じだったらどのような攻防が予想されるでしょうか。つまり、「敵がタワーを守るよう行動する」ことが想定される状況です。

タワーの攻防において影響力が高いチャンプから優先的に考えていきましょう。


1.ゼラス(Xerath)

Xerath君の判断がとても大切だと、彼自身気が付いているだろうか……

もしあなたがタワーを攻めているレンジド達のどれかであれば、真っ先に警戒するのがXerathでしょう。スキルの大半がCDでなかった場合、アッシュ(Ashe)とヴァルス(Varus)はキルされる恐れがあります。したがってキルの観点に立てば、Xerathは①か②の攻撃を検討します。しかも①の方向に攻撃をするのであれば、移動は不要でありZileanにもダメージを与える機会があります。さて、あなたはどのように考えましたか?正解は②への攻撃です。ただし、この判断にはキルは一切関与しておりません。

Xerathが②の攻撃をする必要があるのは、そこにミニオンが密集しているからです。①と②を比較する前に、今、青サイドが押し付けたミニオンがタワーの攻撃に耐えれるかを考えましょう。計算は省略しますが、8回の攻撃に耐えます。

もし、Xerathが①の攻撃をしたのであれば、Q1発だけだった場合、メレーミニオン1体のヘルスの大半を奪います。つまりタワーがミニオンを殺しきるまでの攻撃回数が1回減り7回にります。他方、②の攻撃をしたのであれば、攻撃位置にもよりますが3~4回の攻撃を減らせ、最小で4回となります。つまり、タワーの攻撃範囲にミニオンがいる時間は半分になります。タワーを守るためには、どちらが望ましいでしょうか?

①の攻撃が正当化されるためには、
  1. AsheではなくVarusとZilianへ攻撃することに明確な価値があり
  2. 1によって、今後60秒程度の間に赤側タワーをより効果的に守れる
  3. もしくは、今後60秒程度の間に青側タワーをより効果的に攻めれる
必要があります。2と3にはかなりの不確実性が伴います。60秒と書いたのは、与えたダメージによる優位性が保たれるであろう時間と考えてください。このような不確実性の先にある利益を過大評価しないでください。多くの場合、確かな利益を積み重ねることが勝ちへとつながります。したがって結論は、Xerathはミニオン処理のためにスキルを使い、できればAsheにもダメージを与えることが望ましいでしょう。


2.ドクター・ムンド(Dr. Mundo)

ムンドー、どこにいたらいいかわからないぞー!?

メレーチャンプができることは限られています。多くの場合、スキルの射程も短く、タワー下で積極的に攻撃した際にはタワーからの攻撃を2発ほど受けることになります。かといって、レンジドよりも後方で待機していて良いわけではありません。それではどのポジションで、何をすればよいのでしょうか。Mundoがいる可能性のある位置にマルを置いてみました。これらのポジションの優劣や良い点悪い点などを考えてみてください。少し下に答えを書きます。

ARAMに限らず、タンク(Tank)の位置取りにはコツがいります。マークスマン(ADC)が安全な位置を第一に考えて高頻度でAAを入れていればよいのに対して、Tankは「味方へのダメージを引き受けること」、「スキルを適切なチャンプに当てること」「敵味方の状況を考えて押し引きをすること」等を前線でやらなければなりません。Tankはパッと見で良いTank悪いTankを見分け、適切なアドバイスをすることは難しいと私は考えています。求められる能力は多岐にわたるため、Tank慣れしていないプレイヤーはじっくり取り組む必要があります。

上の5箇所の立ち位置を適当に分けるならば、①・⑤と②・④、③の3種になると思います。タワー直下と、タワー奥、タワー手前ですね。そして良いポジションは、①②であると考えます。総合的に見て、この状況では①>②>>③≧④>>⑤ではないかと考えます。

①と⑤が同じタワー下であるのに対し、評価が大きく異なることに注目してください。⑤がなぜ低評価かわかりますか。ここはXerathの攻撃の延長線上となります。⑤のポジションをMundoがとることにより、Xerathの一回のスキルで当てれる対象が増え、が青サイドのミニオンを処理する判断を下すことが容易になります。このように、⑤のポジションは味方に迷惑をかける悪手です。

②と④の違いは何によってもたらされるでしょうか。この判断はMundoがどの敵を警戒しているかによって変わります。もしMundoが④のポジションを取ればZyraは容易に青レンジドにコンタクトできます。Zyraは死ぬでしょうが、うまくいけばVarusとミニオン数体をキルできます。つまり、赤サイドは効果的にタワーを守る機会が増えるのです。

Mundoは、②の位置に入ることに意味があります。ここに入るだけで脅威度の高いZyraはこのタワー攻めにおいて無力化されます。②の位置に入ってMundoの範囲ダメージが敵チャンプにかすることによるタワーのターゲットをもらうことは好ましいものではありません。ただ、この状況であればMundoのヘルスが高いため、Zyraのキルくらいならとれるかもしれません。ここで強調したいのは、タワー奥に入っても必ずしもアグレッシブである必要はない、ということです。

①と②との評価の差は、生存のしやすさと、タワーへのAAが可能であるか否かによってもたらされています。①は②よりも引きやすく、バランスが良いのです。

プレッシャーという点では、④のほうが③よりも良いように一見すると思えるかもしれません。③④側にMundoがいるとすれば、それはKha'Zixが危険であるからでしょう。Kha'Zixは雪玉が落ちていても、ultして接近すればAsheとVarusを仕留めるチャンスがあります。なのでMundoは警戒していることになります。

④の位置だと、Khaの飛び込みに対して、背後からコンタクトすることになります。Mundoは依然タワー下に位置し、障害物の配置から見てXerathのスタンを受ける可能性が高いです。つまり、警戒するにしても深く入りすぎなのです。

③の位置であれば、Khaが飛び込んだ時横からコンタクトする形になります。飛び込んだ時の距離は④よりもMundoに近い位置となるでしょう。すぐに行動を起こせますね。

また、③の位置は敵に引っ張りスキルがあったときに対応しやすい位置でもあります。多くの場合、③の位置に入っていればタンクは十分でしょう。



今回も長くなってしまったため、このシーンについては終わりにします。
2チャンプの例として挙げた状況は、ARAMでこれからも何度も再現されるはずです。


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